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小規模企業共済制度について


 小規模企業共済制度とは、小規模な会社の個人事業主(従業員が20人以下)や会社の役員が、廃業や退任をした際に、その後の生活資金として共済金を受け取ることができる制度です。ただし、サラリーマンが兼業で不動産経営をしている場合などは加入不可となります。

 月々の掛金は1000円~7万円までの範囲内で選択することができ、加入後に増・減額することも、また、掛金を納めることが難しい場合などは掛け止めも可能です。

 主な加入の申し込み先としては、

◇全国の金融機関の本支店    ◇市町村の商工会    ◇商工会議所
◇中小企業の組合    ◇青色申告会

などがあります。

小規模企業共済に加入することの強み


 では、小規模企業共済に加入することで得られるメリットを紹介していきましょう。

○所得税や住民税が節税できる

・ 小規模企業共済の掛金は、社会保険料と同様に全額を所得から控除できる(証明書を確定申告書に添付または提示する)
・ 法人の場合は共済の掛金分を全額経費処理できる

○低利での融資が受けられる

・ 小規模企業共済手帳と貸付条件に定められた書類を提出することで、納付した掛金の範囲内で事業資金の貸付を受け取ることができる
・ 貸付には5種類ある。その種類は次に示すとおり

貸付の種類

◆一般貸付      ◆新事業展開等貸付     ◆傷病災害時貸付
 ◆創業転業時貸付      ◆福祉対応貸付

土地や建物の譲渡益


 土地や建物を譲渡した際には、譲渡所得に対して所得税と住民税がかかります。譲渡所得は、売却代金から取得費、売却するためにかかった費用、特別控除を差し引いて計算します。不動産の譲渡所得は、他の所得と合算しないで課税する分離課税で計算されます。

 土地や建物を売ったときの譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つに区分し、税金の計算も分けて行ないます。

取得費


 取得費は、売った土地や建物の原価のことで購入代金や工事費、取得のときに支払った税金なども含まれます。しかし、建物の場合、減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

 土地や建物の取得時にこういった費用を記録して、契約書や請求書などを残しておけば節税につながります。

 ここで、売却した建物の取得費の計算方法について挙げてみたいと思います。これは自用か事業用・賃貸用かで計算のやり方が違ってきます。

□自用住宅の売却時の取得費

                 経過年数
購入金額 ×〔1-0.9 × ―――――――――――― 〕
               法定耐用年数×1.5

□事業用・賃貸用建物の売却時の取得費

 毎年確定申告している不動産所得から必要経費に算入した減価償却費の累計額を差し引いて求めます

 売却した土地や建物が先祖代々のものだったり、購入時期が古かったりで取得費が不明瞭な場合は、取得費を売った金額の5%相当額とすることができます。

 また、実際の取得費が売った金額の5%相当額を下回る場合も、取得費は5%としてよいことになっています。

還付を受けるためには


 消費税は、課税売上にかかる消費税額から、課税仕入れにかかる消費税額を差し引いて納めるものです。消費税額のほうが課税仕入れにかかる消費税額よりも少なければ、消費税を納めすぎということで還付されることになります。
 
 還付を受けるためには、その対象年に消費税の課税事業者となっていなければいけません。すなわち、基準期間の課税売上が1000万円を超していることが条件となるのです。

 新規開業など基準期間がない場合、または基準期間の課税売上が1000万円以下となっている場合は「課税事業者選択届出書」を事前に提出しておく必要があります。

 ですから、サラリーマンが一室のみ貸しビルを賃貸している場合でも、堂々と提出することが節税となるのです。もし「課税事業者選択届出書」の提出を忘れてしまうと、還付が受けられなくなるので要注意です。

 また、住宅家賃は政策上、非課税取引とされていますので、住宅家賃しか収入の無い人は消費税の還付はないということになります。

課税事業者選択届出書の提出時期


 課税事業者選択届出書を提出する期間としては、新規開業の場合、個人はその年の大晦日まで、法人はその事業年度末までとなります。また、基準期間の課税売上が1000万円以下の場合、個人は前年の大晦日まで、法人は前事業年度末までとなります。

 ちなみに一度、課税事業者を選択すると最低2年間は課税事業者であることが要求されます。また、還付を受けた後は素早く「課税事業者選択不適用届出書」を提出し、免税事業者に戻らなければ、ずっと消費税を納める羽目になるので注意が必要です。

相続時精算課税制度


 贈与は計画的に毎年でも行なうことが出来、通常、1人につき110万円までは贈与税を納めなくてもすみます。この通常の贈与とは別に平成15年から相続時精算課税制度が始まりました。これは、財産を次世代に早く移すことを目的とした制度です。

65歳以上の親から相続人である子どもに財産を贈与した場合、贈与税の基礎控除110万円に代えて、2500万円の非課税枠を設け、さらに非課税枠を超えた部分には金額にかかわらず一律20%の税率で課税します。

この贈与は1年でしても、何年かに分けてもどちらでもいいのですが、贈与した累計額は管理しておかなければいけません。

この制度を受けると、贈与された金額については将来相続があったときに、他の相続財産と併せて相続税の課税対象となってしまいます。

この場合、贈与時に支払った贈与税額があるときには、算出された相続税額から差し引かれて精算されますが、差し引けない金額が残ったときは還付されます。

相続時精算課税制度で気をつけるべきこと


 この制度で注意すべきことを紹介していきます

■贈与時の評価

 ・土地は貸家建付地として評価する

貸家建付地の評価額=自用地としての価額 -(自用地としての価額×借地権割合×借家権割合)

■負担付贈与の場合

 ・子どもに賃貸マンションとともに、その建築時に借り入れたローンを一緒に贈与する場合、贈与する親の側は借入金相当額での譲渡となり所得税を課税されることもある

 ・相続税評価ではなく、通常の取引価額での評価となり、贈与税負担が大きくなる

■節税効果の吟味

 ・生前贈与であっても不動産の名義変更には、登録免許税、司法書士費用、不動産取得税などの費用がかかる

 ・どれぐらいの期間、どれほど節税効果があるのかよく検討する

相続税について


相続税は、遺産に関わる基礎控除額(課税最低限)より財産が多いときに課税されるものです。すなわち、

正味遺産(遺産総額-債務・葬式費用・非課税財産)> 遺産にかかわる基礎控除額

ということになります。

 基礎控除額は、定額控除額(5000万円)と比例控除額(1000万円×法廷相続人の数)の合計額です。法廷相続分に応じて、各相続人の取得金額を求めて、それを相続税の速算表にあてはめて相続税を算出します。

 一応、補足として説明すると、死亡した人を被相続人といい、相続する人を相続人といいます。そして、相続人と相続順位は民法によって決められているのです。被相続人が死亡してから10ヵ月以内に所轄の税務署に申告し、相続税を納めることになります。

不動産経営による相続税対策


 市街地の宅地は路線価により、また農村宅地で路線価の定められていない地域は、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて評価します。

 これが賃貸住宅を建てた土地では、小規模宅地等の特例によって200㎡までは前述した評価額の50%を減額できます。また、貸家建付地の軽減もあり評価額は一層下がります。

 原則として、建物については固定資産税評価額によって評価するのですが、賃貸住宅の価額はその評価額から借家権割合30%を減額した金額となります。また、賃貸住宅の建設時のローンは遺産総額から控除できるため、相続税を大きく減らす効果があります。

節税効果を大きく


 一定額以上の所得がある場合、会社組織にしたほうが税務上はいろんな点で有利です。仮に収入金額が年1600万円、経費が600万円の場合、個人経営の不動産所得は1000万円となります。

 会社経営なら、この1000万円を役員報酬として支払うことで会社の所得は無くなり、法人税などは課税されません。しかも、1000万円の役員報酬に対しては220万円の給与所得控除を受けることができます。

 役員の人数を増やして、役員報酬を分散されることによって、給与所得控除が増えるので節税効果はさらに高まっていきます。

管理委託会社


 親族を役員にした管理委託会社を設立して報酬を支払うことによって、所得を分散させることが可能です。

 注意しなければいけないのは、管理委託会社に支払う管理手数料の金額です。規定は無いのですが、法外な額では税務署によって否認されてしまいます。

手数料の相場は、管理形態によって変わりますが、最高20%くらいと推定されます。 あと、設立に伴って発生する費用も忘れるわけにはいきませんし、会社独自の維持費も発生するのです。

 ちなみに管理委託会社には、3つの運営形態があります。

○管理料徴収式

 所有者がアパートやマンションを賃貸するとき、管理会社が仲介して管理を行ないます

○転貸方式

 所有者がアパートやマンションを管理会社に一括で賃貸し、管理会社が第三者に転貸します

○不動産所有方式

 管理会社がアパートやマンションを所有して管理運営業務を行ないます

減価償却とは


 建物や設備などの資産は会計上、時を経るに従って価値が減っていきます。そこで、こういった資産を取得するのにかかった費用は、取得した際に全額を必要経費とはせずに、その資産を使用できる期間で分割して必要経費とします。このことを減価償却といいます。

 使用できる期間(耐用年数)と償却率は資産ごとに税法で定められています。

定額法と定率法


 償却方法には、定額法と定率法があります。原則として、個人は定額法となっていますが、定率法を選ぶ場合には税務署への届出が必要となります。しかし、平成10年4月1日以降に取得した建物については、定額法が義務とされています。

 建物と設備を一緒にして計算をしても、建物と設備を分けて計算をしても大丈夫です。設備は建物よりも耐用年数が短く、定率法の選択もできるので、短期間で減価償却でき、当初の必要経費を多くすることが可能です。

 定額法と定率法の計算式を挙げてみます。

□定額法

[(取得価額-残存価額)× 耐用年数に応じた定額法の償却率 ]

・ 耐用年数の期間にわたって、毎年一定額を減価償却費とする
・ 償却費や未償却残高の計算が容易

□定率法

[(取得価額-既償却額)× 耐用年数に応じた定率法の償却率 ]

・ 帳簿価額に一定率を乗じた金額を減価償却費として費用化する
・ 償却期間の前半は償却費を多くし、年が経つにつれて償却費が一定の割合で減少する

 双方は償却費の累計額は同じでも、概して定率法がいいといわれています。なぜかといえば、まず資金を減価償却費として早めに回収できることがあげられます。

 それに、資産は時が経つにつれて修繕費の費用が高くなっていくので、修繕費と減価償却費との合計が定額法よりも平均化できるからです。ただ、個人事業者が定率法を選択するには、規定の期限までに所轄の税務署に届け出なければいけないので注意が必要です。

必要経費の扱い


 節税を考えるうえで、大切なポイントとなるのが必要経費です。アパート・マンション経営の主な必要経費としては次のようなものがります。

○租税公課

 固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税など

○借入金利子

 賃貸する土地や建物を借入金で取得した場合は、借入金の利息額など

○損害保険料

 賃貸する建物の火災保険料の掛け金で当年分

○手数料

 宅建建物取引業者への仲介手数料など

○委託管理費

 管理会社が代行する建物設備管理業務費、事務管理業務費、清掃費、管理人業務費など

○修繕費

 建物、設備などの修理代金

○減価償却費

 建物、設備のその年の減価償却分

○その他

 消耗品費、水道光熱費、通信費、立ち退き料、弁護士や税理士の報酬など

必要経費に計上できるもの


 アパート内装の修理やエアコンのとりつけ、リフォームなどの修理費は税務上、必要経費に計上できるものとできないものがあります。必要経費として認められるのは、建物や設備の通常の維持・修繕、原状回復のために支出されたものです。

 これに対して、アパートの機能や価値を高めたり、耐用年数を延ばしたりするような支出は資本的支出となります。資本的支出は減価償却によって耐用年数期間に分割して必要経費となります。

 大規模修繕の場合でも、汚れやひび割れなどの劣化を元に戻すための修理は修繕費として計上できます。ですが、物件の人気回復のために再塗装やタイル貼りをした場合は、資産価値を増すような改良として、資本的支出となります。

 修繕費か資本的支出なのか判断しづらいこともありますが、最終的な決定は家主がくだします。ただ、税務署と見解が分かれることも度々あります。

期限を守ろう


 新しくアパートやマンション経営をスタートする場合、所得税や源泉所得税などの届出書は申請書に必要事項を記入して、所轄の税務署長に提出する必要があります。

 届出書や申請書は提出期限を決められているものが多いので、どの書類をいつごろまでに提出しなければいけないのかを調べておいたほうがいいでしょう。

 もし期限を過ぎてしまうと、節税による恩恵を受けることが出来なくなる恐れもあるので気をつけてください。ちなみに個人は税務署にのみ、法人は税務署のほかに都道府県税、市民税への窓口へも届出が必要となります。

開業時に必要な届出書


 では開業するときに必要な書類を紹介していきます。しっかり準備しておきましょう。

◇個人事業の開廃業等届出書
 
 事業を始めた日から1ヶ月以内

◇所得税の青色申告承認申請書

・ 青色申告の承認を受けようとする年の3月15日までに申請する
・ 年の途中で開業したときには、開業日から2ヶ月以内

◇青色事業専従者給与に関する届出書

・ 青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで
・ 年の途中で開業したときや、新たに親族に給与を支払うことになった場合は、その日から2ヶ月以内

◇減価償却資産の償却方法の届出書

・ 開業年の翌年3月15日までに提出
・ 届出が無い場合は定額法を選択したものとみなされる

◇源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

・ 随時申請
・ 申請書を提出した月の翌月末までに通知がなければ、申請の翌々月の納付分から、この特例が適用される

事業的規模かどうか


 アパート・マンション経営をスタートさせる際に、まず事業的規模に該当するか否かを確かめなくてはいけません。

 判定基準としては、アパートやマンション、一戸建ての建物が5棟以上、または部屋数の合計が10室以上であることです。この条件を満たしていれば、青色申告をすることで、数々のメリットを受けることが出来るのです。

 駐車場経営にも青色申告は認められていますが、単なる青色駐車場では事業とまではいきません。そのためには、フェンスをつけたり、アスファルトを入れたり、ラインを引くなど10台以上あれば事業と呼べる水準となるのです。

青白申告は有利


 では、青色申告にはどのようなメリットがあるのかを挙げてみましょう。

○専従者給与(事業的規模の場合)

 原則として全額、必要経費に算入できる

○現金主義

 前々年分の不動産・事業の所得金額が300万円以下の人は、現金主義による所得計算が可能

○純損失の繰越控除

 翌年以降3年間繰越控除ができる

○純損失の繰戻還付

 前年分の所得に関わる税金からの還付ができる

などがあります。

 また、5棟10室以上の事業的規模にあてはまらない個人業務にもメリットはあります。青色申告することについて、税務署長の承認を受けていれば「最高10万円の青色申告特別控除」を受けることが可能です。

 いろんな強みのある青色申告が有利であることは間違いないので、サラリーマンの人も税金の知識に明るくなるためにも、青色申告を是非行ないましょう。

不動産所得の確定申告


 アパートやマンションの経営所得については、確定申告をする必要があります。申告期間は翌年2月16日~3月15日までです。

 申告するためには、早めに損益計算書を作れるように事前に「現金出納帳」「経費帳」「固定資産台帳」などの帳簿をまとめておく必要があります。収入や経費は各月ごとの「月別集計表」に記入しておきましょう。

 決算時には減価償却費を計算し、必要に応じて収入と経費の決算修正も行ないます。これらをもとにして、不動産所得用の損益計算書を準備し、確定申告書を作ります。

近頃は、帳簿計算用のパソコンソフトも低価格で市販されているので、それを活用するのもひとつの方法です。

損益通算


 サラリーマンなどは、通常の給料については会社が年末調整をしているので、確定申告をしなくても構いません。ですが、不動産所得の合計額が20万円以上あるときには、確定申告しなくてはいけません。

 原則として、所得は全て合算して納税することになっているので、申告の時は給与分も併せて税額を計算しなおすことになっています。このとき、損益通算することによって不動産所得の赤字を給与所得から差し引くことが可能です。

 つまり、給与所得分で納めていた所得税を取り返すことができるのです。取り戻せる金額は、給与年収によって異なるので、あらかじめシミュレーションを行なってから申告したほうがいいでしょう。

 あと、所得税の確定申告書を提出すれば住民税については、自動的に損益通算されるため、手続きをしなくても大丈夫です。

リスクに比例する


 不動産の証券化が普及し、これからの不動産事業は、しっかりとした事業の評価が求められるようになってきています。こういった不動産事業評価の一環として、投資利回りが重要視されています。

 投資利回りとは、不動産の投資金額に対して、年間にどれぐらいの収入を得ることができるかを判断する指標となるものです。

 投資利回りは、原則としてリスクに比例します。不動産のリスクには大きく分けると、

・元本に関するリスク     ・収入、支出に関するリスク

がありますが、不動産は元本の保証がないために、一定期間経過した後に、売却してはじめて本当の投資利回りを計ることが可能になるのです。

 売却価格によっては、想定内の利回りを得られないことや利回りがマイナスになることもあります。

新聞広告の効果


 ワンルームマンションの新聞広告には、いろいろと魅力的な言葉が並んでいますが、実際にどれほどの効果が期待できるかは分かりません。

 通常、新聞広告では見かけの数字を大きくするために、表面利回りが使われています。投資額に消費税や取得のための諸経費を含んでいなかったり、賃料収入に共益費を含んでいたりする場合もあり、こういったことで利回りを高くみせることができます。

 ワンルームマンションへの投資を考えるときには、広告の利回りがどのようになっているかを確認した後、比較する物件と条件を同一にして、計算しなおすことが大切です。

違いを理解する


 黒字倒産などは、収益が費用を上回って利益は出ているにも関わらず、収入が支出より少ないために資金が足りなくなっている状況のことを指します。

 このような資金不足に陥らないためには収入と収益、支出と費用の違いを頭に入れておく必要があります。収入から支出を引いたものを収支計算書(キャッシュフロー)といい、収益から費用を差し引いたものを損益計算書(インカム・ステートメント)といいます。

 収益(収入)であって収入(収益)でないもの、費用(支出)であって支出(費用)でないものを理解する必要があります。

安定経営に求められる計算


 経営を安定させるために、必要な3つの計算式を挙げてみます。

○利益 = 収益 - 費用

 収益から費用を差し引いた結果としての残高が利益と考える計算式です

○収益 = 費用 + 利益

 事業として必要な費用が把握できる場合、目標とする利益を加算して必要売上高を決定する計算式です

○費用 = 収益 - 利益

 目標売上高と目標利益の差額により、費用をどれだけにすればよいかを考える計算式です

減価償却費


 費用の中に「減価償却費」があります。減価償却費とは、建物のように年月を経るにつれて価値が減少していく資産について、その減価分を経費として算出した金額のことを指します。ですから、減価償却費は支出とはなりません。

 土地については、時間の経過によって価値が下がるというわけではないので、減価償却の対象にはなりません。

利回りについて


 初期投資額と家賃・礼金・敷金・更新料などが分かったら、利益率の目安として利回りを計算します。利回りとは、投資額に対して1年に何%の収益を生み出すかを表したものです。

 利回りには2つの種類があります。そのひとつが「総資産利回り」で、土地価格(時価)を含めて年間の利益率を計算したものです。一方、「表面利回り」は投資額に対する年間総収入の割合の事を指します。ちなみに計算式は

■総資産利回り

     年間の家賃収入
――――――――――――――――――― ×100
 土地の地価+建設費-敷金(保証金)

■表面利回り

    年間の家賃収入
――――――――――――――― ×100 
    建物の投資額

 収入には家賃のほかには共益費や更新料などを、建物の投資額に登記費用など取得に関する費用をプラスして考えたほうがいいでしょう。もちろん、最終的に収支計算をする必要がありますが、利回りを計算すれば利益率の判断基準になります。

表面利回りの目安


 利回りの目安は都市部と地方で異なってくるため、一概には言えないのですが、新築マンションで想定した場合には、都市部で5~6%超、地方では9~10%は欲しいところです。

 もしも、これを下回るようならば、アパート・マンション経営よりも上場不動産投資信託などの小口化商品の方が有利になってしまいます。リスクも少なく、すぐに現金化できるという強みもあるので尚更です。

 また、近頃は日本の上場不動産投資信託よりも、高い利回りと長い歴史をもつ米国の上場不動産投資信託の販売も金融機関において始められています。

 為替のリスクを気にすることなく、円建て投資が可能なので、日本版とともに一定の人気があるようです。

敷金・礼金・更新料


 アパート・マンション経営の収益は、家賃はもちろんのこと、敷金・礼金・更新料などがあります。家賃の設定が終わったら、次は市場調査の結果を踏まえて敷金や礼金の設定を行なっていきます。

◇敷金

 未払い家賃や原状回復の修繕費を確保するために預かり、借主が退去するときに、それらと相殺して返還します。一般的なのは、賃料の2~3ヶ月分の設定ですが、近頃は礼金を少なめにして敷金を多くするようです。

 原則として、入居者から預かった敷金は部屋の明け渡し後に、入居者へ返還しなければいけません。ただ、入居者の故意・過失による破損などがあった場合、その補修費用を差し引いて返還することとなります。

 もし預かっていた敷金が足りない場合は、損害賠償請求をすることになります。最近、問題になっているのは原状回復費に関することで

・ 家主と借主のどちらが原状回復費を負担するのか
・ 原状回復費の精算方法

という2つの問題があります。なるべくなら、穏やかな話し合いで解決を図りたいものです。

◇礼金

 法律上の根拠がないため、家主と借主との合意が必要です。そもそも礼金という言葉自体、無い地方もあるのです。一般的に賃料の1~2ヶ月というのが常識でしたが、近頃は礼金をとらないところもあるようです。

◇更新料

 更新料は、賃料の1ヶ月分が一般的ですが、礼金と同じく法律上の根拠がありません。借主がその支払いを断っても、支払い義務も明け渡し義務も生じません。更新料を請求する場合、その旨を契約書に示さなければいけません。

所得税・住民税


 これは個人が得た利益に対して課せられる税金です。所得税法では、利益を発生原因や発生形態に応じて10種類の所得に分類し、それぞれの所得の種類に応じた計算を行い、最後に合計で税額の計算を行います。

 住民税は所得税の計算結果を受けて、各自治体が課す税金のことです。年末調整がすんだ人や確定申告書を税務署に提出した人は住民税を申告しなくてもよいことになっています。ちなみにサラリーマンは特別徴収として、月々給料から天引きされています。

固定資産税・都市計画税


 固定資産税は、土地や家屋の所有者に対して、登記をしているかどうかにかかわらず課せられる税金です。一般的に、納期は4月・7月・12月・2月の年4回になっています。

一方、都市計画税は都市計画区域を有する市町村が市街化区域内に所在する土地・建物の所有者に対して課す税金です。

 両方とも、1月1日現在の土地・建物の所有者に対して課せられるものです。また、都市計画税は固定資産税と同じ時期に、固定資産税との合計で納めることになります。

個人事業税


 個人が事業を営む場合、その所得に対して課せられる税金です。都道府県税事務所からの通知書を受けて、8月と11月に納付するものです。

ただ、不動産貸付業については事業的規模で行っている場合のみ課税されます。これもまた、住民税と同じく所得税の確定申告書を提出した人は事業税の申告をしなくても大丈夫です。

様々な税金


◆消費税

消費税は建物の購入あるいは建物の建築費に対して課せられます。税額としては、消費税4%と地方消費税1%であり、土地の取得については非課税で、建物の取得には課税されるものです。

 土地と建物の合計金額しかわからない場合には、土地と建物の固定資産税評価額の比で按分したりと少し工夫が必要になってきます。建物部分が多くなったほうが減価償却費は多く計上できます。

◆印紙税

 契約書という文書に対して、契約書記載金額に応じて課せられる税金が印紙税です。文書そのものに課せられるために、原本の数だけ印紙が必要となってきます。

 一般的に印紙税は、買主と売主が折半して負担しているので、自分の保管文書にだけ印紙が貼ってあっても安心はできないといえます。

◆登録免許税

 登録免許税は登録時に課税されます。登記をしなければ、課税されることもないのですが、将来のトラブルに備えて登記をしておいたほうがいいでしょう。

 これは、あらかじめ現金で納付し、その領収書を登記などの申請書に貼り付けて提出するか、収入印紙での納付となります。

 登記は自分ですることもできますが、やはり司法書士に依頼したほうが安心といえます。

◆不動産取得税

 契約が終わり3ヶ月~1年後くらいに、都道府県税事務所から「不動産の取得」という行為に対して、登記の有無に関わらず不動産取得税の請求が届きます。

 ただし、相続の場合は課税されず、またファミリー向けの家屋は「特例適用住宅」によって課税を免れることもあります。

安定した経営のために


 事業戦略とともに収支計画は、安定経営を進める上で重要なものです。アパート・マンション経営での収益向上は、家賃収入を増やすことや経費を節約することではありません。

 一室投資のオーナーは経費を締め過ぎる傾向があるようです。たとえ経費を節約できても、管理がいい加減になれば入居者がいなくなってしまいます。また、逆に経費のかけすぎも経営困難の要因となってしまいます。

 大切なことは収支計画を立て、投下する資本に対してどれだけの収益をあげることができるのか予測をたてることです。

 収支計画を立てるときには、始めに初期投資額(最初に必要な費用の総額)を確認します。所有する土地に賃貸住宅を建てる場合、初期投資額のほとんどを占めるのが建築費用です。

業者の収支計画書


 建築業者がつくる収支計画書には注意が必要です。なぜなら、お金の動きを理解しづらい場合があるので、ちゃんと把握しておかないと、先々、お金が支払えないという状況になってしまう恐れがあるからです。

そうならないためにも、担当者に得心のいくまで説明をしてもらい、疑問に思ったことや分からないことはどんどん尋ねてみることが大事なことです。

 また、収支計画書では支出と費用の違いに注意しましょう。支出には、借入金の元金返済を含みますが、減価償却費は含まれません。一方、費用には減価償却費を含みますが、借入金返済は含まれません。

どこまで担保提供をするか


 金融機関から融資を受ける場合、通常、1~2名の保証力のある連帯保証人を求められます。事実上、連帯保証人は債務者と同じ義務を負います。

 ただ、保証料を負担することで、金融機関の関連会社に連帯保証人の義務を代替してもらう「機関保証」という制度もあります。

 融資を受けるときには、敷地と建物に抵当権をつけられます。抵当権とは、金融機関が担保に対して、優先的に弁済を受けることができる権利を示すものです。

 国民生活金融公庫や民間金融機関は、担保余力があれば後順位でも担保提供が可能です。ですが、必要以上の担保提供は控えたほうがいいと思われます。将来の事業展開のことを考えて慎重に行動し、決断していきましょう。

 ちなみに無担保、無保証の融資では金利が非常に高くなってしまいます。これから新たに融資を受けるためにも、担保提供できる敷地や建物は、できる限り残しておきたいものです。

火災保険


 金融機関から融資を受けた場合、建物が火災などによって担保力を無くしてしまうのを防ぐために、火災共済の契約を結んで、その「共済金請求権」と「受領権」を金融機関などの債権者に質入れします。

 融資を受けた金融機関から求められるのは、「質権の設定」だけであるため、保険はどこに加入しても大丈夫です。

 近頃は「質権の設定」を求めてこない金融機関もあるようです。融資契約と火災保険契約は別にして考えることも可能なのです。

民間融資の特徴


 賃貸住宅の建設に対して、銀行や信用金庫、農協、生保などが取り扱う民間融資もあります。この分野への民間融資の進出は活発化しており、年間に建設される賃貸住宅の建設資金の融資残高比率は毎年増加しています。

民間融資の特徴を挙げると、

□ 融資期間は30年以内が主流
□ 公的融資には無い低利の変動金利と公的融資より期間が短く割高な固定金利がある
□ 公的融資より手続きは容易で、審査も短期間ですむ
□ 敷地や建物に関する制約が無く、設計も自由
□ 入居者の募集や選定が自由にできる
□ 特定のハウスメーカーと提携して金利を値引きしている

などがあります。

 また、民間融資には「提携型融資」と「非提携型融資」というものがあります。それぞれの特徴は、

○提携型融資

 ・金利は「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」
・物件引渡しと抵当権設定が融資と同時に行なわれる

○非提携型融資

 ・金利や返済方法は金融機関によって違う
 ・融資を受けることで預金金利が優遇されることもある
 ・給与振込みや公共料金の引き落とし口座として利用している場合、通常よりも有利な条件で融資を受けられることがある

などが挙げられます。

連帯保証人と担保


 民間融資では返済能力や担保能力、年間の収支計画の見込みによって融資額が決定します。賃貸住宅ローンの場合、連帯保証人や担保提供がないと融資を受けるのは困難で、金利を上乗せして信用補填するのは現状では、そう簡単にはいかないようです。

2種類の金利


 ローンには2種類の金利があります。

○固定金利

 借入期間中、借り入れ時の金利が固定されます。そのため、返済計画が立てやすいと言えるでしょう。年金融資などが代表的です。

○変動金利

 金融情勢の変化によって、返済途中で金利が変わります。また、当初2~10年間は固定金利でその期間経過後にもう一度、「固定型」か「変動型」かを選ぶことのできる「固定金利選択型」も広くは変動金利タイプに分類されます。

 概して、低金利時代は固定金利で高金利時代は変動金利ということになります。しかし、低金利が続くようなら、半年ごとに金利が見直される変動型や一定の期間は金利が変わらない固定金利選択型のほうが有利となります。

 変動金利を選択する場合、金利上昇のリスクに備える必要があり、金利の低いうちに繰り上げ返済をすることも考えておきましょう。繰上げ返済とは、任意で借入金の返済をすることで、返済分は元金にあてられます。

 また、最初は変動金利にしておいて、本格的に金利が上がるタイミングを見計らって固定金利に借り替えるという方法もありますが、少し困難な面もあります。

借り換えについて


 借り換えとは、別の銀行から新たにローンを借り入れ、もとのローンの残金を一括返済することを指します。

 これによって固定金利のリスクを回避できますが、借り換えには諸費用がかかり、また資産価値が下がっている場合は、担保割れで借り換えできないこともあるので要注意です。

二方式の特徴


 借入金を返済するための方法には二通りあって、「元利均等方式」と「元金均等方式」があります。返済方法は選択できる場合もあるので、各々の特徴をしっかりと理解して有利な返済方法を選ぶようにしましょう。

◇元利均等方式

 これは、元金と利息を合わせた毎月の返済額を一定にする方法です。元金と利息の割合は、最初ほとんど利息で占められており、返済回数が進むにつれて元金の返済が増加していくものです。

◇元金均等方式

 元金を均等に返済し、利息は元金残高に応じて支払う方法です。返済回数が進むにつれて月々の返済額が減少していきます。

どちらが有利か


 原則として、賃貸住宅の借入金返済は、元利均等方式を採用している場合が多く、民間の銀行から融資を受ける場合には元金均等方式を選択できないこともあります。

 ただ、全体的に金利負担を考えた場合には元金均等方式のほうが有利になります。そのとき注意したいのは、収支計画に余裕があるかどうかということです。計画段階では収入は控えめに、支出は多めに考えておくほうが賢明といえます。

 どちらにするか迷うようなら、元利均等方式を選んで、その後に始めの計画よりも収益が上がっているようであれば担当者に相談して、融資条件を元金均等方式に変えてもらうということもできます。

 もちろん、その分手数料はかかりますが、それでも返済総額を減らせるので有利と言えるのではないかと思います。

利用できるローン


 アパート・マンション経営では通常、始めにお金を支払い、残りはローンを組んで家賃収入を返済にあてています。

 資金をどの辺まで投じるかをよく考えなければいけませんが、はじめに建設資金ありきではなく土地に適合した建設プランを立てて、その後に、それを実現させるための資金調達を検討することが大事です。

 利用できるローンとしては、公的融資と民間融資の2種類に大別されます。近頃は、銀行がアパート・マンションローンに力を入れていることなどもあって、公的融資よりも民間融資のシェアが大きくなってきています。

 ただ、分譲マンションを購入する場合と賃貸住宅を建設する場合とでは、融資の種類も異なってくるので注意するがあります。

資金繰り表を作る


 アパート・マンション経営をやり始めるまでには、建設資金はもちろんのこと、契約にともなう手数料や税金、保証料など、いろんな費用がかかります。諸費用は融資をする前に必要なものが多く、場合によっては自己資金で対処することもあります

また、融資金がおりる時期と決済期がずれてしまうことがあり、そうなると、つなぎ融資を受けなければいけなくなります。ちなみに、つなぎ融資とは本来の融資が実行されるまでの短期間だけ借り入れる融資のことをいいます。

竣工までの資金繰り表を作っておけば、いざというときに資金不足で慌てなくてもすみます。資金繰り表は、手元の資金の動きがこれからどうなるのかを明示したものです。

建設工事の流れを踏まえて、どのタイミングでどれくらいお金が必要になるのかを書き込んでいきましょう。

トラブル防止策


 近年、原状回復の問題や敷金返還などのトラブルが増えています。先々のトラブルを防止するためにも契約内容をきちんと説明し、納得してもらった上で契約することが大切です。入居者とのトラブルを回避するための対策には例として、

□入居時の立会い

・ どの部分が消耗し、破損しているかを借主と共に確認する。室内を写真撮影しておけば、入居後の破損が明確になる
・ 入居時の様子を書面にして、捺印してもらうようにする

□退去時の立会い

・ 入居時と同じく、退去のときも借主と一緒に破損している箇所などを確認して書面にしてもらう
・ もし、トラブルになりそうな場合は写真やビデオに残しておく

□退去時の費用を説明する

・ どれくらい費用がかかるか契約する際に説明しておく。敷金の範囲内であれば、大体納得してもらえる
・ 一定額以上、費用はかからないことを伝えておく

少額訴訟


 近頃は、契約内容等をめぐって、入居者から少額訴訟を起こされるケースもあるので、できる限りの証拠を残しておくことが重要です。

 少額訴訟は、当事者が弁護士に頼らずに、60万円以下の金銭支払いをめぐるトラブルを裁判で進めていく訴訟手続きのことです。家賃の請求など、金銭支払いを求める訴訟に限り、簡易裁判所に少額訴訟を提起できます。

 少額訴訟は、1回の期日で審理を完了しなければいけないので、1日審理で即日判決となります。また、すぐ取り調べることが可能な証拠に限り、証拠調べが行なわれます。当事者は自分の主張をまとめて、提出できる証拠をできる限り用意することが必要です。

 一審判決のため、不服申立があっても控訴不可となります。そのかわり、判決を下した裁判所に対して異議を申し立てることは可能です。

入居者の生活を守るために


 いくら管理をしっかりしていたとしても、火災や事故などを完全に防ぐことは困難です。入居者のために、契約時に保険に加入してもらうようにしましょう。

 通常、仲介を依頼している不動産業者が提携する保険に加入してもらうことになりますが、その補償内容については理解しておかなくてはいけません。保険プランの例として次のようなものがあります。

□借家人賠償責任補償

 火災やガス爆発などを起こして、借りている部屋に損害を与え、家主に対して法律上の
損害賠償を負った際に支払われる

□修理費用補償

 偶然の事故で借りている住居戸室に損害が生じて、賃貸契約に基づいて借主が修理しなければいけないときに損害費用が支払われる

□家財補償

 火災や倒壊、落雷、現金・預貯金証書の盗難、水害などの事故により、借主の家財に損害が出た場合に支払われる

□個人賠償責任補償

 日常生活中に、誤って他人に怪我をさせてしまったり、他人のものを壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負ったときに支払われる

保険加入を拒む人は


 どんなに保険加入を勧めても、それを拒む人はいるものです。そのような人への対策として次のようなことを行なってみましょう。

○入居者自身の責任で事故があった場合、入居者が家主へ損害賠償をしなければいけないことを伝える

○リスクを保険でカバーできるのは合理的な選択であることを理解してもらう

○入居者を守る意味でも、重要な保険であることを十分に理解してもらう

○貸し店舗に飲食店等が入居した場合は必ず義務付けるようにする

 保険は家主の損害を補償するためのものでもあるので、入居者に加入を拒絶されることがないようにしたいものです。

防犯設備の充実を


 入居者の防犯に対する意識は、高まってきています。そのため、防犯設備の充実は空室対策につながるといっても過言ではありません。

 防犯対策としては、「防犯カメラを設置する」「防犯フィルムを貼る」「防犯合わせ複層ガラスに取り換える」「屋外や共用部分を明るくする」「防犯性の高い鍵を採用」など、できることは全て行なうようにしましょう。

防火対策

 防火対策として有効な方法は、火災に強い構造にすることですが、まず普段から防火に備えておくことが大切です。たとえば、石油ストーブの使用を禁じたり、廊下などの共用部分に通行の邪魔になるものを置かないよう指導したりなどがあげられます。

 万一に備えて、火災保険に加入しておきましょう。火災が生じたときに支払われる損害保険金は、契約時に設定した保険金額が限度となります。納得いく補償を受けるためには、保険価額と保険金額の関係を理解する必要があります。

 保険価額には次の2種類のものがあります。

○再調達価額

 同等のものを新たに建築(購入)するのに必要な金額

○時価額

 同等のものを新たに建築(購入)するのに必要な金額から経過年数と使用による消耗分を差し引いた金額

ということは、元通りに建て直すためには、再調達価額を基準に保険金額を設定する必要があるということです。再調達価額で保険金額を設定する場合は「価額協定保険特約」という特約をつけなければいけません。

賃貸住宅の管理


 賃貸住宅の管理は2つに大別されます。まず、「入居者管理」で、これは賃料の回収、防火・防災への対処、入居や退去の立会いなどを指します。

 一方、「建物管理」は日常的な清掃、建物や設備の点検などであり、空室がある場合は定期的に換気や掃除を行なう必要があります。

 また、給水設備やエレベーターの取り換え工事などは、資金計画とともに長期的な修繕計画を立てなければいけません。

管理業務の委託


 自分で管理できれば、それにこしたことはないのですが、住戸の多いマンションの場合は対処が難しいので、専門の管理会社に委託したほうがいいでしょう。

 管理会社には様々なものがありますが、実績のある会社に委託したほうが安全といえます。その管理会社が取り扱っている他の物件を調べて、どういった管理をしているのか確認しましょう。

 契約形態は会社や地域によって呼び方が変わることもありますが、「家主代行方式」と「一括借り上げ方式」があります。

◇家主代行方式

・ 管理会社がオーナーの代理人として賃貸契約や入金管理などを行なう義務方式
・ 一括借り上げ方式の会社と比較すると小規模な会社が多いため、オーナーへの支払いが遅れることもある

◇一括借り上げ方式

・ 管理会社がオーナーから一括して物件を借り上げる方式でサブリース契約ともいう
・ 空室や滞納、入居者とのトラブルの心配がなく安定した経営を見込める
・ 賃料相場が下がった場合、契約更新時に管理会社から賃料の減額など契約条件の変更を求められることもある

不動産業者の種類


 アパート・マンション経営では入居者の募集、建物のメンテナンスなど為すべき事が数多くあります。こういった事を引き受けてくれるのが、不動産業者です。

 不動産業者といっても、いろんなタイプがあります。

●地域密着型の小規模な不動産会社

・ 徹底した地元志向で地域の情報に詳しい
・ 独自のアイデアを聞いてもらいやすい
・ 入居者決定の早さについては会社の営業力次第

●全国規模の大手仲介会社

・ 自社系列の賃貸情報誌やインターネットを駆使して大々的に宣伝
・ 入居者決定のスピードが速いが、貸主に対する入居後のフォローに欠ける

●管理委託会社

・ グループ系列の仲介不動産を中心に入居者募集を行なう
・ 親会社であるハウスメーカーやゼネコンなどが建築した物件を全体的に管理しているので営業をサポートするシステムは高レベル

 安定した経営をしていくためには、優良な業者選びは大切なことであり、その業者とうまく付き合っていくことが重要なポイントとなります。

3つの媒介契約


 入居者の募集を仲介業者に依頼する場合の契約には次の3つのタイプがあります。

□一般媒介契約

・ 複数の不動産業者に重ねて依頼できる契約で、他業者への依頼が制限されない
・ 業者は成功報酬を得られる保証がないため、積極的な営業をしない恐れもある

□専任媒介契約

・ 複数の不動産業者に依頼できないが、オーナー自ら入居者をみつけることはできる
・ 物件管理とセットになっている契約の場合は頼りになる

□専属専任媒介契約

・ 仲介を依頼した不動産業者が探した相手以外とは契約を締結できない
・ 物件管理とセットになっている契約の場合は特に力を入れて入居者を探してくれる

最新記事【2007年06月25日】

土地の区域


 農地だった場所を宅地等に使おうとする際は、その土地がどこの区域かによって申請の手続きは異なります。

 市街化区域の場合、各農業委員会に所定の届出を提出すれば宅地への転用が可能となります。市街化調整区域の場合、あらかじめ農林水産大臣や都道府県知事の許可をもらっておかなければ、工事中止命令等が発動されます。

 市街化調整区域の農地は、2つに大別されます。

◆甲種農地

 原則として、宅地への転用は認められない

◆乙種農地

 第一種、第二種、第三種の順番で転用への難易度が下がる

 もし、転用したい土地がどの区分にあるか調べたいときは、農業委員会や都市計画課で確認することができます。

農地にアパートやマンションを建てるときは、土地の境界をしっかり確認しておくことが必要です。これは、後々のトラブルを回避するために重要なことです。

近くの土地家屋調査士などに依頼をして、利用できる土地の範囲を明確にしてもらいましょう。その際、自ら立ち会って「筆界確認書」を取り交わすこともしておけば安心といえます。

農地を宅地に変える利点


 農地を賃貸住宅用地にするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。少し挙げてみましょう。

○宅地なみ課税への備えができる

 ・営農をやめてしまうと、宅地なみの税金を支払う必要がでてくる
 ・特例により、固定資産税や都市計画税の負担が軽くなる場合がある

○収入を安定化できる

○相続税対策になる

 ・賃貸住宅を建てるために借金をした場合、相続税対策にもつながる

主に金銭的なメリットが多いようです。農地の転用を考えている方は、これらを踏まえて活動してみてください。

駐車場法


 駐車場に関する法律には、様々なものがあります。その中でも、特に知っておきたいのが駐車場法による規定です。

 駐車場法の定義は、

 この法律は、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めることにより、道路交通の円滑化を図り、もって公衆の利便を資するとともに、都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的とする

というものです。

 仮に、全体の駐車スペースが500㎡以上の有料駐車場を都市計画区域内につくる場合には、各種の届出が必要となります。また、出入り口や構造上の制限も厳しいものとなります。また、各地方公共団体の条例により、制限が付加されることもあります。

 また、建築基準法に定められている通り、商店街・繁華街と住宅地では、建てることのできる駐車場のタイプが異なります。ですから、駐車場経営をするにあたって、所有している土地にどういった規則があり、どんな駐車場が建てられるのか知っておく必要があります。

駐車場の認知度


 駐車場法や建築基準法、条例などを踏まえ、土地の広さや場所を考慮に入れながら、時間貸しか月極か、採算の合う駐車場はどのタイプかなどを検討します。

 開業してから、しばらくは赤字となる場合が多く、黒字にするためには駐車場の認知度を高める必要があります。看板を分かりやすいように、また、人目につきやすいように設置をするとか、カーナビの情報提供を扱っている駐車場運営会社などと契約するのもいいでしょう。

高さ・斜線・日影


 建物の大きさには建ぺい率・容積率以外にもいろんな規制があります。

○絶対高さ制限

 第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域では、地域内の日照、通風、採光などを保護するために一定の高さを超える建物を建てることを禁じています。

○日影規制

 住居系用途地域を中心に適用され、建物の主に北側エリアの日照を確保するために定められています。この規制によって計画建物の周囲の日照は、冬至日で最低2時間は確保されることになっています。

○斜線制限

 これには「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」の3種類あります。

「道路斜線制限」とは、建築物の各部分の高さを規制したもので、全ての用途地域で適用されています。敷地の前面道路から敷地に向かって、一定のルールに基づいて斜線を引き、その中に建物を収めなければいけません。

「隣地斜線制限」は、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域を除く用途地域で適用されるものです。建築物の高さを隣地境界線から一定の勾配の斜線内に制限することで、隣地の日照、採光、通風などを保護するものです。

「北側斜線制限」は、住居系の用途地域で適用されています。隣地との境界線上から敷地に向かって、一定のルールに基づいた斜線を引き、その斜線の中に建物を収める必要があります。

道路の幅・耐火建築物


 また建築基準法では、建築物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないとしています。つまり、敷地が2m以上道路に接していることが条件といえます。

都市計画で定められている防火地域は、燃えにくい建物を建てるために規模によって建物の材質を規制しています。

防火地域では、その火災が他に及ばないことを、準防火地域では延焼速度を遅くすることが求められています。それらは、市街化の防火に役立てようとするものです。

防火地域内では、耐火建築物または準耐火建築物を建築する必要があるため、建築費用は高くなりがちです。ただ、耐火建築物については建ぺい率が緩和されます。

建ぺい率・容積率


 建物を建てるときには、建ぺい率・容積率という規則があります。アパート・マンション経営をする場合、建ぺい率と容積率の大きい方が、部屋数を多く造ることができ、収入は高くなります。

 さて、建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。例えば、建ぺい率60%とは、敷地面積の6割まで建築物を建てることが可能です。

 一方、容積率とは敷地面積に対する建物の延床面積(各階の床面積の合計)の割合のことで、立体的に見たときの建物のボリュームを決めるものです。容積率300%とは、敷地面積の3倍まで延床面積が許されます。

 都市計画法で、土地は12の用途地域が定められています。その用途地域にはそれぞれ建築基準法で建ぺい率、容積率があります。この規制に基づいて、アパート・マンションは建てられるのです。

 ちなみに、建ぺい率の出し方は

      建築面積
建ぺい率=――――――― × 100(%) 
      敷地面積

 また、容積率の出し方は

     延床面積
容積率=――――――― × 100(%)
     敷地面積
 
となります。

 容積率は前面道路の幅員(道や橋などの横の長さのこと)によって、決まることもありますし、超高級住宅地では自治会が建ぺい率や容積率を独自に定めている場合もあるので注意が必要です。

また、建ぺい率と容積率以外にも建物の大きさに関する規制はあります。そのような規制についても知っておいて損はありません。

用途地域を踏まえて


 用途地域とは、土地に建設する物件の種類や用途などを定めることで、どのような街となるか検討をつけることができるものです。それに、土地を売る際も用途地域によってその額は大きく変動してきます。

 大体、アパート・マンションを経営する地域は、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域などが適しているといえるでしょう。いずれの地域も人が多く、住むには格好の環境だと言えます。

 もちろん、上に挙げた地域にとどまらず、入居者のニーズに合ったところに建てることが大切です。また、所有している土地がどこの地域に指定されているかを知るためには、市区町村の都市計画課などで確認をとりましょう。

特別用途地区


 「特別用途地区」というものがあります。これは都市計画法に定められている地域地区のひとつで定義は、

 用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護など、特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区

とあります。この特別用途地区の指定は、用途地域と重なっているので注意が必要です。

 なぜ注意が必要なのかというと、用途地域による制限で建物を建てることが可能であっても、特別用途地区の規定によって建設不可になることもあるからです。

 用途地域の制限内容は、都市計画法と建築基準法で統一して定められています。一方、特別用途地区の制限内容は、各地方公共団体で違いがあるので、確認をすることが大切です。

土地は社会資産でもある


 自分の土地だからといって、好きなように建物を建てられるわけではありません。それは、アパートやマンションの建設にはいろいろな法律があることに起因しています。

 土地は社会資産であり、同時に個人の資産でもあると考えられています。そのため、国や自治体が法律や土地整備計画などを定めて規制をかけています。

 ですから、アパート・マンション建設を考えるなら、ハウスメーカーと商談する前に所有している土地にどんな規制があるのかを、あらかじめ知っておく必要があります。

法的規制


 規制の最たるものとして、都市計画法と建築基準法があります。

◆都市計画法

 計画的に街づくりを行うことを目的としたもので、この法律が適用される地域を「都市計画地域」といいます。

 また、無秩序な市街化を防ぎ、健全で計画的な都市の発展を図るため、都市計画区域を区分しています。それには2つの区域があります。

 まず「市街化区域」ですが、これは優先的、計画的に市街化を図るもので12の地域に分けられています。もうひとつが「市街化調整区域」で、市街化を抑制すべき区域で基本的に住宅を建てることはできません。

◆建築基準法

 建物を建てるときの、細かい規制を定めたものです。開発による住環境の悪化などを防止するために用途地域ごとに建ぺい率、容積率、高さ制限などを定めています。

 これらのことを頭に入れて、建物をチェックしていきましょう。あと、法的規制以外にも、住民運動によって建設を諦めなければならない場合もあるので注意が必要です。

一時的な運用に適する


 駐車場経営のメリットは、投資額が少なくて済むことで、ニーズさえあれば資産の安全運用になります。それに借家権をめぐるトラブルもないので、一時的な運用に適しています。また、1台だけのコインパーキングでも回転しさえすれば採算に合うのです。

 ただ、税金のことも念頭に置く必要があります。古い住宅などを取り壊して駐車場にする場合、固定資産税が上昇します。また、相続が発生する場合、相続評価額が上昇します。

自己資金の準備を


 多くの資産・財産を所有している人でないと、駐車場経営単独で銀行融資を受けることは困難なため、自己資金を準備するのが一般的です。

 ただ、コインパーキングの場合、業者が土地を借りて経営をするのが一般的なため、設備などは業者持ちとなり、オーナーの投下資金は原則として必要ありません。この場合、土地の賃貸料を受け取るかたちとなります。

 しかし、契約期間内の解約にはペナルティが課せられてしまうので注意が必要です。

主な料金の精算方法


 では駐車場の精算方法について紹介していきましょう。

□自動精算機

 入庫時に発券した駐車券をもとに、運転者が自動精算機を使用して精算する

□レジスター

 タイムテーブル機能のある駐車場専用のレジスターで、時間と課金単位を算出する

□キャッシュレス精算

 クレジットカードや携帯電話などを使用して、運転者が自動精算機で精算する

□手計算

 タイムスタンプ用紙やチケットを渡して、計算機や料金表を使用して算出する

副業として


サラリーマンにとって不動産経営はうってつけの副業ということができます。安定収入があるため銀行融資が受けやすく、また、いわゆる「兼業禁止規定」にも不動産経営は触れないとされているからです。

 一室投資の場合、高利回りを期待するなら必然的に中古物件ということになります。その場合、構造、総戸数、立地、管理形態など注意すべきポイントがあります。

物件購入にあたってチェックすること

◇ゴミ置き場、廊下や階段などのチェック

 ・そのマンションの入居者のモラルを確認
 ・多数の人が利用する共用部分を確認する

◇エントランスのチェック

 ・薄暗かったり、汚れていたりしないか

◇周辺環境のチェック

 ・アパートの近くに山や川がある場合、自然災害の恐れもあり、日常の管理を怠れば
  老朽化を早めてしまう

◇共用部分のチェック

 ・廊下や階段などに個人の荷物が長期に渡って放置されていないか

◇大規模修繕計画のチェック

 ・修繕時期とともに積立金の額も確認する
 ・適切な修繕積立金がされていないと、後に大幅なコストアップがされてしまう

 また、総戸数は多ければ多いほど空室に対する不安も改善できるので、先を見据えて少なくとも8戸以上の物件を選択したいものです。そして、清掃などの基本的な管理がされているかもチェックしたいところです。

 マンションの場合、構造についてはRC鉄筋コンクリート造の物件がお薦めです。価格の高いものもありますが、この点は一室投資の場合も同様です。

 築年数が30年を超えている物件であっても、RC鉄筋コンクリート造なら安心できるといえるでしょう。

一定期間の賃貸


 平成12年に施行された、定期借家契約は契約期間の満了で更新されることなく借家契約が終了するというものです。

 これまでの借家契約では、ちゃんとした訳がなければ家主からの更新拒絶はできず、契約は自動的に更新されることになっていました。対して、定期借家契約は期間を定めて賃貸借を行えるので、貸しても必ず帰ってきます。

 定期借家を検討する場合、新法による契約手続きや事前説明、期間満了通知、再契約案内など、これまでにない手続きも数多く、専門業者に仲介を依頼したほうがいいでしょう。

 契約のときには、できる限りいい条件にするため、それまでの経験を活かして便利な点や立地、周辺環境などを強調しましょう。

 将来の自宅として再利用の余地を残し、資産価値を維持するためには、きちんとした賃貸借契約が求められます。

定期借家契約を結ぶ場合の基本的な留意事項


 では、定期借家契約をするにあたって必要なことなどを挙げていきましょう。

◇書面交付による事前説明
◇契約書(書面)にすること
◇第一条に定期建物賃貸借契約であることを明記する
◇建物を特定する
◇貸し主に代わって不動産業者が行う場合は「委任」が必要
◇保証金などの一時金について明記する
◇契約期間を特定する
◇賃料の改定条項を明記する
◇契約終了の1年から6ヶ月前の定期借家終了通知

などです。ちなみに、定期借家契約は原則として、一定の場合を除き中途解約はできません。その際は、違約金特約も認められています。

情報を集めて入念な調査を


競売と聞くと、何やら怖く騒々しいイメージがありますが、今はそうでもありません。ワンルームの資産運用を検討する人が、多く参加するようになったためです。

競売というものは、低価格で購入できることも可能ですが、その分多くのリスクがついてきます。それに下見のときには、物件の中を見せてもらうことはできないのです。

そもそも競売物件は、借金の返済が間に合わない債務者から、お金を貸していた銀行などが滞っている代金を回収するために取り上げたものです。ですから、入札には入念な調査が必要といえるでしょう。

価格が安いものには、必ずそれなりの訳があるもので、まさにハイリスク・ハイリターンということになります。

入札に必要な書類


 インターネットや裁判所の掲示板などから気になる競売物件を見つけたら、具体的な情報収集のため、取り扱う裁判所に足を運ぶことが重要です。

 裁判所では、入札に必要な3点セットと呼ばれるものがあり、それを確認することが大切です。

□物件明細書

 物件を貰い受けた際に、引き継がなければいけない賃借権などの権利関係が記載されている

□現況調査報告書

 ・物件の構造や現状、占有者の有無などについては記載されている
 ・写真なども添付されている

□不動産評価書

 ・物件の評価額や周辺の環境について記載されている
 ・図面なども添付されている

また、競売には地方自治体で行われているものもあり、良質な物件もあるようです。とにかく、競売物件はリスクを承知の上で購入検討するようにしましょう。

建物の改修


 長期的な視野から考える修繕計画は、アパート・マンションを長くもたせるために行うものですが、何年かけて進めるのかということで変わってきます。

 アパート・マンション経営を始めた理由が相続税対策であるなら、注意が必要です。それは、つまり建てること自体が目的となっているので、その後のメンテナンスがされにくいと考えられるからです。

 当然のことながら、修繕もせず放置したままの状態が続けば、入居者は減少し、賃料も低めに設定し直す羽目にもなりかねません。

 そういう事態を防ぐためにも、アパートやマンションの建設を考えるときには、同時並行で長期修繕計画を立てておかなければいけません。

 大抵、管理会社が修繕内容や時期についての計画をしてくれます。ですが、自分で管理をしていくなら、アパートの建物本体の補修や各部の交換時期など、ある程度の知識を蓄えておく必要がでてきます。

 費用の面でも、補修の度合いで異なってくるので、賃料の最低でも5%を修繕のために、積み立てておかなければいけません。

修繕に関する費用


 通常、修繕を行う際には、管理会社が契約をする業者がメンテナンスをします。ただ、修繕費用が不足している場合、複数の業者に工事見積書を依頼して、競わせることで工事費用の負担を軽くすることもひとつの方法です。

 安い金額で請け負ってくれる業者が絶対に良いとは言いませんが、少なくとも比較検討することによって選択の幅が広くなることは確かです。

見た目が肝心


 アパート・マンションを経営するにあたって、外見や見た目というのは実は重要なことです。実際、エントランス部分を工夫したマンションや、洋風な造りをしたアパートは人気が高いものです。

 アパートやマンションも日常生活の場所ではなく、商品として捉えることが大切です。ですから、例えば企画の段階で女性の視点に立って、考えていくのもいいでしょう。

大抵、清潔なものが好まれ、不潔なものは敬遠されがちですから、印象を良くすることは重要です。趣味やセンスは人によりけりですが、大体において色の統一がされていて、汚れが目立ちにくい外壁材を使うといいでしょう。

名前も大事


 最近は、アパート・マンションの名称に、漢字などではなくカタカナの名前が多く使われているようです。

 住所というものは、様々な場面で記入したりするものですから、覚えにくいものや長すぎるものも控えたほうがいいと思われます。名前によって、受ける印象も変化してきますので、やはり女性にも受けが良いものを考えることが重要です。

住宅性能表示


 平成12年に、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)が施行され、あらゆる物件は住宅性能表示の交付を受けることができるようになりました。目的としては、消費者の保護を考えてのことです。

 それは、国土交通省が認定した第三者機関が定めた共通のルールにのっとって、9つからなる項目の住宅性能を評価していくものです。

 メリットとしては、入居予定者が契約前に、物件の性能を知ることが可能なので安心して入居してもらえるということです。

ニーズに合った設備を


 年々、入居者が求める設備水準は高くなってきています。これでは、ニーズに応えられない物件の空室率が高くなるのもやむを得ません。

 設備の取替えを入居後に行うのは難しくコストも高くなるので、事前に標準設備を整えておくほうが無難です。

ニーズに合った設備


 近頃は、学生や独身者を対象にしたアパートでもテレビやベッド、洗濯機などが備え付けられた物件もでてきています。

 学生用のワンルームとファミリータイプでは、希望する設備も違っているので、ターゲットに合わせた設備選択が大事といえます。駐車場を準備したり、音楽練習やペット飼育を自由するなど差別化を図るのもひとつの方法です。

防犯対策は大切


 一時期、世間を騒がせたピッキングによる犯罪が横行したことで、入居者の防犯に対する意識が強くなってきます。ピッキングに強い鍵やドアロックなどの基本的な設備を整えることと共に、防犯設備に関してはしっかりと配慮しておかなければいけません。

では、防犯対策として求められるものを挙げていきましょう。

□警報機  □防犯カメラ  □複数の鍵の備え付け  □屋外や共用部分の照明
□自転車置き場やバルコニーなどに面する窓への防犯対策

 また近頃は、エレベーター内にもカメラを設置したり、指を置くだけで棟内に入ることが可能な「オートロック指紋照合システム」を導入するなどの設備もあります。

 防犯設備はこれからのアパート・マンション経営には、防犯設備は必須といえますので、ターゲットに合わせた設備を整えることが重要といえるでしょう。

天井高も考えよう


 これからの顧客のニーズに沿うには、ゆとりということを考えていかなければいけません。

 バブルの時期に売り出されていたワンルームは、大体15~20㎡くらいでした。それが現在では、20~25㎡ほどの物件が増えてきているようです。これから先も、もっと広めのワンルームが売り出される可能性が高いといえるでしょう。

 ゆとりや広さを考慮する際には、床面積のみならず天井高も視野に入れておかなければいけません。

通常、天井高は2.4mくらいですが、顧客のことを考えて工夫することも大事です。たとえば、天井が高ければ開放感も生まれやすく、もしリフォームすることになっても便利になります。

土地・居住面積


 近頃は、居住水準が高くなってきたため、共同トイレや風呂無しのタイプは影を潜めてきています。また、一時期多かったユニットバスのタイプも減少傾向にあります。これらのことを考えると、各戸の居住面積は最低でも20㎡は欲しいところです。

 また、土地については60㎡くらいの広さがあればアパート経営はできます。もちろん、用途地域や各種制限などを踏まえることが前提となります。

 一般的に、顧客が住まいにおいて重視することは「住宅の広さ・間取り」「生活に密着した施設・商店などが近い」「高齢者にも対応したもの」「住宅の安全性」「駅に近く、通勤・通学に便利」などが挙げられます。

 また、近頃はバルコニーにもある程度、プライバシーを求めている人もいるようです。こういったことを頭に入れて、どんな建物にするかを決めていきましょう。

時期に合わせる


 アパート・マンションの建てるのが容易な時期は、借入れ金利と建築費の動向などで判断可能です。ただ、賃貸住宅経営を事業として捉えるなら、成約率に着眼点を置きます。

 それは、成約率が高まる時期に合わせて入居者の募集を始めることによって、空室が出る確率を抑えることができるからです。うまくいけば、通常よりも賃料を高めに設定することもできます。

 地域によって、成約率には多少の違いがありますが、ピークは進学や転勤の集中する2月から3月頃となります。また、ファミリータイプの物件では9月から10月にかけて、再びピークがあります。

 これらの時期に合わせて建物を完成させることが、大切なのは言うまでもありません。そして、事業計画もこれを踏まえて、立てなければいけません。

時期で変わる適正家賃


 周辺の賃貸住宅の賃料などを参考にして、適正家賃を算出する際には気をつけなければいけません。まず、比較対象となる物件は築年数を経過しているものなので、設備などの詳細はあいまいなところがあります。

 加えて、適正家賃というものは季節によっても変動していくのです。通常の時期と、ピーク時とでは需要と供給のバランスに違いがあるため、5~10%前後の差があります。

ピーク時は、賃料を高めに設定しても入居者は来ますが、需要のない時期は控えなければいけません。家賃を高めに決めるか、低めにするかは考慮しなければならないところです。

最新記事【2007年06月23日】

経営の利点


アパート・マンション経営を志す方は、何を思って始めようとしたのでしょうか。それは、やはりそうすることで生じるメリットがあるからです。

○安定的に収入を得られる

 賃料収入を得る目的で行うアパート・マンション経営は、月々の安定した収入を確保することができます。住民の中には滞納する人もいるかもしれませんが、それを差し引いても一定の収入が期待できるといえます。

 特にサラリーマンの場合は、給料以外の副収入があれば、転職時や起業時など、いざという時に心強い資金となることでしょう。

○節税対策

 アパートやマンションを建てることで、固定資産税や所得税の軽減を図ることが可能です。所有している土地を更地のままとしておくよりも、はるかにマシといえるでしょう。 

では具体的に説明していきましょう

固定資産税対策

□土地

 ・1戸あたりの敷地が200㎡以下の場合、小規模住宅用地の評価軽減により課税標準額が6分の1になる
 ・住宅のみに適用され、商業ビルなどは対象から外される

□建物

 ・耐火・準耐火、3階建て以上の新築住宅に対し5年間は税額が半額になる。非耐火構造の場合は3年となる


所得税(法人税・個人所得税)

□建物

 ・建物建築費は建物減価償却費として、長期間(RC造の場合47年間)分割して必要経費として計上できる
 ・借入利息や保険料などを必要経費として計上できる。ただし、損益上で赤字となれば課税されない

節税対策をすることは大切な財産を守ることにつながります。しっかり行っていきたい
ものです。

需要のある物件


 これからアパート・マンション経営に取り組むのなら、消費者のニーズに合った物件を建てる必要があります。そうでなければ、アパート・マンションを建設したものの入居者が決まらず、借入金で払った建設費用の返済も滞るという事態になりかねません。

 では、どういったアパート・マンションならニーズがあるのでしょうか。今、求められている住宅は個性のあるアパート・マンションということができます。では、個性とは何なのか例を挙げてみましょう。

・廊下が広い   ・駅から近い   ・周囲に利便性のある店や施設が多い
・部屋が広い   ・天井が高い   ・ユニバーサルデザイン
・日当たりがいい   ・バリアフリー   ・外観がおしゃれ
 
などです。例えば、ドラマの主人公が住むような部屋が女性に人気であったりします。高齢者には、周辺に病院などがある物件が求められます。

駐車場にも個性を


 駐車場経営は、車の保有台数と密接な関係にあり、車が増えれば駐車場に対するニーズは高くなっていきます。国内の車両保有台数は年々、増加しており、駐車場経営を試みる人も多いようです。

 駐車場にも個性が求められます。アパート・マンション経営と同じく、利用者の嗜好と意識をとらえて考えることが大切です。主に、安全性・おもてなし・使い勝手などが重要なキーワードといえるでしょう。

 駐車場にもいろいろな種類があり、「平面式」「機械立体式(多段式)」「自走立体式(プレハブ式)」などがありますが、やはり、その土地に合った駐車場を造ることがポイントといえます。

 近頃、1人で複数の車を所有する人も意外と多く、こうした人向けのおしゃれなガレージの需要も増えてきており、そのニーズに応えていくことも重要だと思われます。

高齢者を意識した物件

高齢者のための住宅


 需要の不足している物件を用意することは、アパート・マンション経営を成功させるためには必須といえます。では、どういった物件が求められているのでしょうか。

 そのひとつに高齢者を意識したアパート・マンションが挙げられます。今後、ますます少子高齢化が進んでいくことを考えると、それに伴って需要も高くなっていくことは明らかです。

 民間の賃貸住宅においては、高齢者には連帯保証人がいない場合が多いため、入居を敬遠する傾向が見られます。そのため、高齢者が安心して暮らせるために平成13年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が施行されました。

 では、その法律の中身を少し紹介していきましょう。

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」より

○「民間事業者の取組を支援する高齢者向け優良賃貸住宅制度」
 
高齢者が安心して生活できる住まいを確保する

○「賃貸住宅の登録・閲覧制度」

 高齢者の入居を拒まない

○「終身建物賃貸借制度」

 高齢者が安心して住み続けることができる

 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」では、「高齢者自らによる持ち家のバリアフリー化の推進」「一括償還型バリアフリー・リフォーム融資制度」などで、高齢者の自宅のバリアフリー化を支援しています。

 また、バリアフリーの整備には国から(共用部分の階段・廊下などのバリアフリー化のための整備費用)3分の1、地方公共団体から3分の1の補助が一定の条件のもとにつきます。

 加えて、一定の収入基準以下の世帯に対する家賃補助がつくこともあります。物件をバリアフリー化して、国や地方公共団体から補助金を得るのもひとつの方法です。

ターゲットの限定


 最近は、特定のニーズにあった賃貸物件を建築するところも増えています。

 高齢者物件だけではなく、都心の高額所得者向けの賃貸住宅や戸建て定期借家住宅など個性的な賃貸住宅が供給されつつあります。

 そして、ターゲットとなる入居者を明確に絞って成功を収めているアパートやマンションも多くあるのです。ただ、注意すべきなのはターゲットを絞り込むことによって、転用が困難になること。慎重に検討する必要があります。

 ターゲットを絞り込んだ賃貸住宅の例を挙げてみましょう

◆ペットと暮らせる賃貸住宅

 ・原則として、ペットを飼う人しか入居できないことにする。もし、飼う人と飼わない人も共同で住んでもらうなら、お互いに気持ちよく住めるように工夫する

 ・ペットを飼うにあたってのマナーを守れない人は、契約更新時に再契約できないように定期借家契約を導入する

◆農園付きの賃貸住宅

 ・入居者に無料で農園を貸し出し、栽培可能にする
 
・農園の手入れは入居者が行うなどルールを明確にしておけばオーナーとのコミュニケーションもスムーズとなり、家主と入居者の密な関係が築ける

◆音大生用の賃貸住宅

 ・大きな楽器を持ち込めるように床面積が通常の物件に比べて広くなっている

 ・安心して音楽の練習ができるように部屋を強力な防音仕様にしてある

家賃が高めであっても、これらは周辺の賃貸住宅と比較して、経営がうまくいっているケースが数多くあります。

ただ、周辺環境や契約条件、管理体制など企画をつくる際に、創意工夫していくことが大切なのは言うまでもありません。